はじめに
この文書は、モバイル PC (メーカー製 BTO ノートブック) 組み立てに対する専門知識を持ったシステム・インテグレーターを対象としています。インテル® Core™2 Extreme プロセッサー搭載システムにおけるサーマル・マネジメントに関する情報とアドバイスについて記載されています。
この文書は、PC 操作、組み立て、サーマル・マネジメントに一般的な知識と経験がある読者を対象にしています。このアドバイスに従うことで、信頼性の高い PC を提供し、トラブルによる顧客からの返品を低減することができます。
ノートブック・サーマル・マネジメント
インテル® Core™2 Extreme プロセッサー搭載ノートブック PC は、サーマル・マネジメントが必須です。ここで言う「サーマル・マネジメント」とは、大きく分けて下記の二つの要素から成り立っています。それは、適切にプロセッサーに装着された冷却ソリューションと、冷却ソリューションからシステム外部に熱を排出する、効果的なエアフローです。サーマル・マネジメントの最終目的は、プロセッサーを最大動作温度 (Tcase) 以下に保つことです。
ノートブック用の典型的な冷却ソリューションは、デスクトップ・システム用のものよりもはるかに洗練されています。限られたスペースの中、様々なノートブック・デザイン、レイアウト、プロセッサー搭載位置などの制約から、ノートブック冷却ソリューションは製造元ごとにまったく異なります。しかしながら、全てのノートブックにおいて、プロセッサーは パッシブ、アクティブいずれか、もしくは併用した方法で冷却されています。
現在の高消費電力プロセッサーに対応するため、大半のノートブックはアクティブ冷却ソリューションを採用しています。これは二つの方法で実現することができます:
- ヒートシンクを直接プロセッサーに搭載する
- リモート・ヒート・エクスチェンジャー (熱交換器) を搭載する
リモート・ヒート・エクスチェンジャー (RHE) は、ヒートシンクとファンをプロセッサーから遠い位置に配置することができるため、熱設計の柔軟性を高めます。図 1 は、RHE デザインコンセプトを示しています。

図 1: 一般的なリモート・ヒート・エクスチェンジャー・デザイン
熱はプロセッサーからヒートパイプを伝わってアタッチメント・ブロックに伝達されます。ヒートパイプは、一般的に熱伝導性の流動体が充填された、中空の銅製パイプです。気化 / 再凝結プロセスを通して、熱は効率的にヒートパイプからヒート・エクスチェンジャー (ヒートシンク) のフィンに伝達されます。その後、局部的なエアフローが熱を外気に排出します。
RHE デザインが非常に効果的であるとはいえ、ノートブック PC のデザインによっては、ソリューションの冷却効率を高めるため、RHE デザインとともにパッシブ要素を使用する場合もあります。一般に、パッシブ要素を追加するときは、RHE デザインに対して、熱を受動的 (パッシブ) に拡散させられるような大きな金属製のプレートを追加します。 (一般に、プレートはキーボードの下に搭載されます)。図 2 は RHE を使用した実際のサーマル・ソリューションの例です。図右側に、追加されたパッシブ・コンポーネントが見えます。

図 2: 一般的な Micro-FCPGA サーマル・ソリューション・デザイン
プロセッサーの装着
もっとも効果的な冷却ソリューションは、プロセッサーを適切に取り付けているかどうかに強く依存します。 どのようなノートブック・デザインでも、プロセッサーがインストールされた後に冷却ソリューションを搭載することになります。一般的に、サーマル・インターフェイス・マテリアルはプロセッサーと冷却ソリューションの接触ブロックとの間で効果的に熱交換するために使用されます。サーマル・インターフェイス・マテリアルの種類は、ノートブック製造元により大きく異なります。
サーマル・インターフェイス・マテリアルを適切に装着しているかどうかが、サーマル・ソリューションが効果的に動作するかどうかを左右します。
サーマル・インターフェイス・マテリアルが適切にインストールされていなければ、プロセッサーはオーバーヒートしてしまう可能性があります。製造元の取扱説明書に従って、プロセッサーのむき出しのダイとノートブック PC のサーマル・ソリューションの接触ブロックが完全に密着するように、サーマル・インターフェイス・マテリアルを注意深く貼付してください。また、サーマル・インターフェイス・マテリアル表面に皮膚の油脂、化学剤などが付着しないように注意してください。これらはプロセッサーと接触ブロックの間の効率的な熱交換を妨げる原因となります。
注: もしサーマル・インターフェイス・マテリアルがプロセッサーから取り外された場合、新しいサーマル・インターフェイス・マテリアルに交換してください。それぞれのノートブック・デザインごとに、製造元は異なるサーマル・インターフェイス・マテリアルを使用しています。インテルはサーマル・インターフェイス・マテリアルを提供していません。交換用サーマル・インターフェイス・マテリアルについては、製品購入元かノートブック製造元にお問い合わせください。
更に、ノートブックがパッシブ・サーマル・ソリューションを使用している場合 (キーボード裏の放熱プレートなど)、これらを再度接続する際には注意してください。追加パッシブ・サーマル・システムを利用しているシステムの場合、システム全体の冷却仕様を満たすためには、パッシブ・サーマル・システムの有無に依存している場合があります。
温度テスト
インテル® Core™2 Extreme プロセッサー搭載ノートブックを組み立てているインテグレーターは、より高い消費電力のプロセッサーに対応できるかどうか、製品製造元に相談してください。大半のノートブックはスロットリング機能 (最大動作温度を越えた際に、プロセッサーの動作周波数を低下させる機能) を備えています。パフォーマンスが低下しますが、プロセッサーの温度管理機能としては期待できません。
温度テストは、プロセッサーが正しくインストールされており、システムがプロセッサーの消費電力に併せて適切にデザインされている場合、必ずしも必要ではありません。しかし、お使いのノートブック製造元はプロセッサー温度を監視するためのユーティリティーを提供している場合があります。インテル® Core™2 Extreme プロセッサーはダイに組み込みのサーマルセンサーを備えており、ノートブック製品の大半はセンサーからの信号出力を温度情報に変換する組み込み回路を備えています。このため、プロセッサーの温度を監視することが可能です。温度監視ユーティリティーが存在するかどうかについては、ノートブック製造元にお問い合わせください。
熱電対を使用してプロセッサーの温度を測定するのは、現実的ではありません。熱電対アタッチメントを使用することで、温度ソリューションの性能に影響を与えるためです。
インテル® Core™2 Extreme プロセッサーの温度仕様の詳細については、インテル® Core™2 Extreme プロセッサーのデータシート を参照してください。
このコンテンツは以下の製品に適用されます:
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