<ご参考資料>
* 2004 年 9 月 9 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です。
インテル コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)は、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の開発者向け会議「インテル・デベロッパ・フォーラム(IDF)Fall 2004」で、現行より安全かつ便利で、信頼性に優れ、接続も容易なインターネットの実現に求められる、インターネット・アーキテクチャの重要な変革について講演しました。
インテル コーポレーション 上席副社長 兼 CTO(最高技術責任者)のパット・ゲルシンガーは、インターネットに、コンピューティングとストレージの資源から成るコンピュータ処理サービスを提供するオーバーレイ・ネットワークを加えることで、ネットワーク・コアの大幅なインテリジェント化を図ることができると説明しました。これにより、インターネットは、現在のデータ転送のパイプから、多彩なサービスを世界 60 億の人々に提供する巨大なプラットフォームへと変革することが可能です。ゲルシンガーは、この取り組みを、地球規模のサービスを実現できる可能性として説明しました。
ゲルシンガーは、「この新しいインテリジェントなサービスにより、インターネットはコンピュータ・ウイルスの検出や警告を行ったり、トラフィックの遅延を防ぐために動的にネットワークのトラフィックを迂回させて、ビデオによるウェブ・キャスティングの品質向上を図ることなどを可能にします。また、これらのサービスにより、電力事情や接続の信頼性があまり良くない地域のユーザでも、インターネットを容易に利用できるようになります」と述べています。
ゲルシンガーは、業界や地球規模のサービスを利用する潜在ユーザに対し、プラネットラボ・コンソーシアム(PlanetLab Consortium)に加盟し、さらにインテリジェントなインターネットの構築に取り組むよう、参加者に呼びかけました。プラネットラボは、コンピュータ処理サービスを提供するオーバーレイ・ネットワークであると同時に、新しいインターネット技術をテストする際に、世界でオープンに利用できる試験環境にもなります。これまでに世界の有力な大学や業界の研究機関を合わせ、150 の企業や団体がプラネットラボに参加しています。参加団体には、AT&T ラボ、ケンブリッジ大学、フランステレコム、ヒューレット・パッカード(HP)、NEC 研究所、プリンストン大学、カリフォルニア大学バークレー校のほか、ブラジルやカナダ、中国の国立研究教育ネットワークや、Internet 2 の関連組織が挙げられます。
ヒューレット・パッカード エグゼクティブ・バイス・プレジデント、チーフ・テクノロジー&ストラテジ・オフィサーのシェーン・ロビソン氏は、「より多くのプロセスが、アナログからデジタルで処理されるようになり、いつでも、どこでも利用できることが求められていますが、インターネットが復元性を持つことの重要性が十分に訴えられていません。プラネットラボは、インテルと HP、両社のパートナや顧客にとって、次世代の分散アプリケーションやサービスをテストする環境になります。私たちは、18 ヵ月にわたる様々な科学的な試行を経た今、従来のインターネットを使ったビジネス慣行とは異なる、地球規模の革命的な商用サービスを安心して導入、テストできるようになると確信しています」と述べています。
放送業界の大手企業、パブリック・ブロードキャスティング・サービス(PBS)は、高品位のデジタル・コンテンツを PBS の加盟各局のシステムに配信する上で、地球規模のサービスによる利点を享受できると期待しています。
PBS 最高技術インテグレーション責任者のアンドレ・メンデス氏は、「PBS は、インテルと共同で、PBS 加盟局の放送作業の自動化と監視を行う統合型デジタル・システム“ACE”の設計を、HP のコンピュータ・システムを用いて進めています。プラネットラボは、高品位(HD)テレビ用のコンテンツ配信をはじめとする、システム全体におよぶアプリケーションのテストや開発手法にまで、協力関係をさらに拡大する契機にもなりました」と述べています。
オーバーレイでインターネットを増強
インターネットをさらに便利にする課題を説明するため、ゲルシンガーは、MCI の技術戦略担当 上席副社長で、TCP/IP プロトコルとインターネット・アーキテクチャを共同設計し、「インターネットの父」として有名なビントン・サーフ氏を壇上に招きました。
30 年前に、グラフィカルなウェブやビデオ、音声などのアプリケーションやトラフィック量、膨大な利用者数や対応機器を取り込んだ、現在のインターネットの姿を予測できた人は一人もいませんでした。
インターネットは、当初、既存の電話や他のネットワークの上位で稼働する“オーバーレイ”ネットワークとして設計されました。インターネットは、ネットワークのルータを制御し、データを発信元から送信先へと転送する役割を担う小規模なソフトウェア・プロトコルをベースにしていますが、インターネットで稼働するアプリケーションは、世界規模で利用されるサービスへと急速に拡大しています。しかしながら、現行のインターネットの成功は、インターネットの不正利用からの保護や、革新的なアプリケーションやサービスに関する新たな手法の開発やテストを困難にしています。
ゲルシンガーは、プラネットラボの取り組みが、インターネットがデータを送信するだけでなく、どのようにしてその上に高性能なルータやサーバで構成される新しいオーバーレイ・ネットワークを統合し、新しい機能を提供できるようにするのかを説明しました。プラネットラボで稼動するアプリケーションは、世界中のインターネットに拡散する多くのシステムの上位で部分的に実行できるよう分散型の構造をとっています。これらのアプリケーションは加えて、自律型で、そのアプリケーション独自のネットワークを形成し、そのネットワーク内(エッジではなく)に、あるアプリケーション・プロセシングの組織を生成し、インターネット上に新しい性能や機能を追加します。
ゲルシンガーは、「地球規模のコンピュータ処理サービスのオーバーレイは、インターネットの他のイニシアチブを補完しながら、インターネットの革新を呼ぶ新時代を拓きます。このオーバーレイは、ウェブ・サービスが稼動するプラットフォームになるほか、グリッド・コンピューティング施設やユーティリティ・データセンタをつなぐ手法にもなります。Internet 2 から供給される物理的に新しいインフラストラクチャや、IPv6 を利用可能にするネットワーキング・レイヤの上位に置かれ、インターネットにさらに高度な機能を備える新しい階層を付加します」と述べています。
新規ユーザのニーズに適した新たな利用法
ゲルシンガーは、インターネット技術の普及に向けた取り組みとして、インテルと大手石油・石油化学企業の BP が、今夏から共同で実施している研究プロジェクトを説明しました。両社は、ワイヤレス・センサ・ネットワークを利用して、スコットランド北部シェトランド諸島沖を航行する石油輸送タンカのロック・ラノックが搭載するエンジンの継続的な振動監視を実施しています。ワイヤレス・センサ・ネットワークや RFID(Radio Frequency ID)、スマート・タグなどは、企業がインターネットと無数の新たな低コスト・デバイスを活用して、工場の運営や、サプライ・チェーン全体の管理、世界規模でのコラボレーションを効率良く行おうとするものです。企業が、日常の業務管理や長期事業戦略の策定に、この膨大な情報収集を重要視するにつれて、能力の増強や信頼性の向上に対するニーズがさらに増加します。
業界の研究者は、今後、新たに数十億人がインターネットを利用できるようにするため、従来型のコンピュータを購入する余裕がなく、接続性や電力供給の信頼性に欠ける地域の人々の利用を想定した、低コストでバッテリ駆動の次世代機器を提案しています。ゲルシンガーは、新しい機器の接続性やネットワーク内ストレージをサポートすることにより、接続の遮断や処理の遅延が緩和され、ユーザは世界規模のサービスを享受できるようになると説明しました。このほかのインテリジェントなサービスとして、ネットワークが、多様な機器に適合できるようコンテンツ形式を動的に変換するトランスコーディング機能を提供する応用例も紹介しました。
プラネットラボ・コンソーシアムの情報は、http://www.planet-lab.org (英語) で入手できます。
◇インテル・デベロッパ・フォーラム(IDF)について
IDF は、ハードウェアおよびソフトウェア技術者を対象にした、業界を代表するイベントです。1 年を通じて開催される同フォーラムでは、業界の主要メンバが集まり、PC、サーバ、通信機器、および携帯機器向けの最新技術や製品について討議します。IDF およびインテル・テクノロジに関する情報は、http://developer.intel.com (英語) でご覧頂けます。
世界最大の半導体メーカであるインテル コーポレーションは、パソコン・ネットワーク / コミュニケーション製品の世界的なメーカでもあります。インテルの情報は、http://www.intel.com (英語) で入手できます。
以上
|