2009年 5月 15日、Tara Anjali Adiseshan、Li Sallou Boyntin、Olivia Catherine Schwob がインテル青年科学賞と大学奨学金 5 万ドルを獲得し、Intel International Science and Engineering Fair (Intel ISEF) で最優秀賞に輝きました。
これらのインテル青年科学賞受賞者のほかに、500 人を超える Intel ISEF 参加者が革新的な研究によって奨学金と賞金を獲得しています。その中には、19 人の 「Best of Category」 (部門最高賞) 受賞者も含まれており、5,000 ドルのインテル奨学金と Intel® Core™2 Duo プロセッサー搭載の新型ノートブック PC が贈呈されました。また、受賞者の学校とそれらの学校が参加した Intel ISEF 関連フェアに 1,000 ドルの補助金が贈られました。
Tara Adiseshan (米国バージニア州シャーロッツビル)
Tara Adiseshan は、コハナバチとその体内に生息する寄生線虫 (顕微鏡でしか見ることのできない寄生虫) の長期にわたる関係についての調査を行い、進化上の難問の解決に取り組みました。具体的には、バージニア州シャーロッツビルにある Ramana Academy の 3 年生の Tara Adiseshan (14歳) は、コハナバチとその共生関係を示す寄生線虫は、互いに反応し合い、協調して進化するプロセスである共進化を古代から経てきたという仮説を立てたのです。
Adiseshan は寄生線虫の宿主である複数種のコハナバチの遺伝物質を調査してコハナバチの系統樹を構築し、寄生線虫の既存の系統樹のデータと比較しました。適合系統の比較で、共分岐進化の明確な証拠が示され、コハナバチと寄生線虫の関係が古くから続くものであり、宿主内の種形成事象が共生体の種形成事象をもたらすという理論を裏付けました。
Adiseshan の研究により、これらの生物の理解がさらに深まり、進化の過程への見識も広がっています。
Li Boynton (米国テキサス州ヒューストン)
環境科学と公衆衛生への関心が、飲料水の品質の新しい試験方法の考案へと Li Boynton を導きました。従来の化学的試験の限界や膨大な費用に気づいた Boynton は、より広範で、もっと効率の良い試験分析の必要性を感じていました。そこで、テキサス州ベレアのべレア高校 3 年生の Boynton (17歳) は、非病原性の生物発光細菌であるビブリオフィシェリを汚染物質のバイオセンサーとして使用できるかどうかを検討しました。
具体的には、一般的な 6 種類の水質汚染物質 (水銀、硝酸ナトリウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、除草剤のアトラジン、農薬のペルメセリン) によるビブリオフィシェリへの影響を調べました。
その結果、細菌培養物の光度と汚染物質の有無およびその毒性との相関関係が明白であることが判明し、この細菌が、飲料水にしばしば含まれることのある多様な毒素を簡単かつ経済的に検出する方法となる可能性があること判明しました。
Boynton の研究は、世界中の公衆衛生の改善に大きな影響を与えるかもしれません。
Olivia Schwob (米国マサチューセッツ州ボストン)
Olivia Catherine Schwob は常に認知科学に興味を持っていました。そのため、彼女の研究である 「虫はどのようにして学習するか」 では、学習タイプの 1 つである連想による条件付けでの哺乳類の遺伝子発現の効果を、ヒトに関する研究ではモデル生物としてよく使われている小さな線虫、シノラブディス・エレガンスで調査しました。
具体的には、Schwob は、ヒトの学習に関連していることが明らかになっている哺乳類遺伝子 GAP-43 がシノラブディス・エレガンスの学習を向上させるという仮説を立てました。この理論を検証するため、マサチューセッツ州ボストンのボストン・ラテン・スクール 3 年生の Schwob (16 歳) は、マウスから遺伝子を取り出し、それを使って融合タンパク質を作り、シノラブディス・エレガンスの生殖腺に注射して GAP-43 を示す子孫を生成しました。その結果、GAP-43 は、この生物の学習を著しく刺激していました。
Schwob の研究は、ヒトがどのように学習するかについての科学者の理解をさらに深めるのに役立ち、知的障害の治療や予防に有用となる時が来るかもしれません。