
毎年、世界中の 50 を超える国から 1,500 人の才能豊かな高校生が集結し、Society for Science & the Public プログラムの 1 つである高校生以下を対象とした世界最大の科学コンテスト、Intel Science and Engineering Fair (Intel ISEF) が行われています。生徒たちの独自の研究プロジェクトの分野は多岐におよび、多数の参加者たちはその後も自らのイノベーションに対する評価を高めています。Intel ISEF の元ファイナリストで、現在はマサチューセッツ工科大学 (MIT) の 1 年生である Ben Gulak はその典型です。
Intel ISEF 2007 当時は高校の最上級生だった Ben は、チームカナダの仲間とともに、バイクのように乗れ、しかも排気ガスを出さない環境配慮型の電動ストリートカー 「Uno」 で優秀賞の 2 位を獲得しました。それ以降、この 20 歳の青年は大絶賛され、その最先端の発明でさまざまな賞を獲得し続けています。
Gulak が Uno を思いついたのは、2006 年に家族で北京を訪れた時でした。Gulak は北京で、渋滞した道を埋め尽くす数千台のスクーターから排出されているスモッグと公害に悩まされました。彼は、機敏性や操作性を維持しながらも環境にやさしい、バイクに代わるスタイリッシュな乗り物を作ろうと考えました。これは、非凡な 10 代の若者にとっても簡単なことではありません。幸いにも、カナダのオンタリオ州での Gulak の環境はとても恵まれたものでした。「チームやサポートグループなしでは成し遂げられないことがあるとわかっていました。家族のサポートがなければ、Uno はコンセプトの段階から先に進むことはなかったでしょう。」 と Uno の発明者 Ben Gulak は述べています。
少年 Gulak は、熟練した設計技師である祖父の Wemer Poss とともに、楽しみながら科学プロジェクトに取り組みました。複雑な問題のブレインストーミングを祖父と一緒に何時間も行ったことも頻繁にありました。Poss の最後のエンジニアリング・プロジェクトの廃品である金属を使い、Gulak は祖父の作業場で最初の Uno を作成しました (この作業場は、2004 年に Poss が亡くなった後、Gulak が継承しています)。この点においては、Uno は彼の祖父の遺産のたまものといえます。
Uno の最大の特徴の 1 つは、そのデザインのユニークさです。ボディには改造したヤマハのバイクのフレームを使い、両サイドの 2 つの車輪を覆っているため一輪車のように見えます。もちろん、それが名前の由来です。乗り手は車輪の真上でバランスを取り、体を前後、左右に傾けることでマシンを操作します。内蔵式の姿勢制御装置とコンピューター制御のコントロール・システムにより、乗り手のバランスを維持し、マシンのサスペンションを管理します。Uno には電動車椅子と同じタイプのバッテリー電源式モーターが使われており、時速 40 マイル (約 68 km) まで出すことができます。
雑誌 『Popular Science*』 は、その年のトップテンの発明品の 1 つに Uno を選び、2008年 6月号で取り上げました。この発明は、「Discovery Channel*」 でも放送され、さらに、『Chicago Tribune*』 や 『New York Times*』 といった主要新聞のさまざまな記事のテーマになっています。
最近では、「The Tonight Show」 に Jay Leno や、Dragon's Den (「虎の穴」。カナダのリアリティーテレビ番組) の出演者とともにゲストとして登場しました。この番組では、起業家が資金を調達しようと自分たちのアイデアをベンチャーキャピタルの審査員 (「虎」) に売り込みます。予想どおりに、Gulak はショーの審査員を納得させ、創業したばかりの彼の会社、BPG Technologies に 125 万ドルの投資を獲得しただけに留まらず、潜在的投資家から連絡を受け続け、世界中の数十の国で特許を申請しました。発売開始時は Uno を約 6,000 ドルで販売することになると Gulak はみています。
一方、ISEF のこの元ファイナリストは、自分のビジネスベンチャーの成功が学業の目標の妨げにならないようにしてきました。Gulak は MIT での勉強を最後までやり遂げるつもりでいます。専攻したいと思っているのは、もちろん、ビジネスと機械工学です。
インテルでは、難しい世界的な問題を解決するカギは若者が握っていると考えています。彼らが成功するには、しっかりとした数学および科学の基礎と、批判的思考法、協調性、問題解決といったスキルとを一体とすることが不可欠です。これが、インテルが未来のイノベーションを触発し、可能にするため、教育プログラムに今、直接携わっている理由です。