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読み方 : エー・エックス・キカク
米国仕様の PC/AT 互換機をベースに日本語表示機能を追加し、日本語処理を可能にしたパーソナル・コンピューター仕様。'87年にマイクロソフトによって提唱されました。 現在では、米国仕様の PC/AT 互換機に対し、日本語版ソフトウェア (MS-DOS* /V や Windows 95、Windows NT* などの日本語版) をインストールするだけで、キーボードなど一部のデバイスを除けば、ハードウェアは米国仕様とまったく同じ構成であっても日本語処理を行うことができます。しかし AX 仕様が発表された'87年当時のパーソナル・コンピューターは、現在とは比較にならないほど処理性能が低く、メモリーやハードディスク容量も少ないものでした。このため、ソフトウェアだけで日本語処理を行うのは現実的には不可能であり、当時の日本では、漢字フォントのビットイメージデータを ROM に書き込み、これをグラフィックスデバイスに搭載して、ハードウェアで日本語処理を行っていました。 当時日本のパーソナル・コンピューター市場で圧倒的なシェアを誇っていたのは、NEC が開発・販売する PC 9800 シリーズでした。この NEC 9800 シリーズも PC/AT 互換機と同じく Intel プロセッサーを搭載するパーソナル・コンピューターで、デバイス構成などは似通った部分も多くありましたが、漢字 ROM を搭載するグラフィックスサブシステムや BIOS などは独自仕様のもので、PC/AT 互換機とは互換性がありませんでした。このため MS-DOS* や Windows などの OS や、ハードウェアを直接アクセスするような一部の MS-DOS* アプリケーションでは、PC 9800 シリーズに対応したものしか利用できませんでした。 こうした事実上の 1 社独占の状況に対して、日本以外では世界的なデファクト・スタンダードとなっていた PC/AT 互換機をベースとするコンピューターを国内で普及させようと、シャープや三菱電機などの国内コンピューターメーカー各社も参加して考案したものが AX 仕様です。AX では、JEGA と呼ばれるグラフィックスカードを新たに開発し、これに漢字 ROM を搭載することで、ハードウェアによる高速な日本語処理を可能にしました。当時米国版の PC/AT 互換機では、EGA (Enhanced Graphics Adapter) と呼ばれるグラフィックスカードが一般的で、この EGA をベースに日本語対応を施したカードであることからこのように呼ばれました。また AX では、英語版の 101 キーボード配列をベースに、いくつかのキーを追加して、AX 仕様の日本語キーボードを策定しました。 しかし、当時一般的だった MS-DOS* 環境では、圧倒的多数のアプリケーションが NEC PC9800 シリーズ対応のもので、アプリケーションの AX 対応が進まなかったこと、日本独自のハードウェア仕様である JEGA を搭載していたため、必ずしも米国版のソフトウェアもそのままでは実行できなかったことなど、ユーザーメリットをアピールするには脆弱な環境で、広く普及するには至りませんでした。その後ハードウェアの処理性能が上がり、ソフトウェアだけでも日本語処理が可能になると、MS-DOS* /V や日本語版 Windows など、PC/AT 互換機そのものをソフトウェアだけで日本語化する方式が主流になり、AX は姿を消しました。
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